はじめに
部屋の整理をしていたら懐かしい雑誌がでてきました。「pen」の2005年12月15日号です。その中で、「公共のデザイン」と銘打った特集があり、ついつい読みふけってしまいました。同特集で取り上げられた題材をFlickrで検索してみたら、hitしたものも多かったので、CCライセンスのものを選びまとめてみました。主にヨーロッパの街並みに溶け込む公共デザインについて扱っています。ではどうぞ!
オランダ、TNT Postの郵便ポスト
TNT Post(旧TPG Post)は、国際物流企業、TNTエクスプレス (TNT Express)がオランダで手掛ける郵便事業。「ピュアで正直で機能的」であるとして1977年に「赤」がメインカラーとして定められる。上写真のポストの集配口のあいだには電子ディスプレイがあり次の集配を表示する。
リヨン市のレンタルサイクル「velo'v」
リヨン市民のためのレンタルサイクルシステム「velo'v」。市内173のステーションのどこでも借用と返却ができる。目印の後輪カバーの「赤」がとても鮮やかで印象に残るデザインだ。
イタリアのポルタ・ヴェネツィア駅
イタリアの、地下鉄4号線のポルタ・ヴェネツィア駅は1998年に完成。巨匠マンジャロッティがデザインしたもの。構想に数年を要したという。幅29mのアーチが描く見事なガレリアが特徴。
スウェーデン国営郵政公社、Posten ABの郵便ポスト
スウェーデンの国営企業、「ポステン」は2001年に経営の改革を行ったことに伴い、郵便関連のデザインも一新。写真に写る郵便ポストは北欧らしいパステルカラーでとても可愛らしい。
VELOTAXI
VELOTAXIは1997年にドイツの首都ベルリンで『環境にやさしい新しい交通システムと、動く広告がひとつになった乗り物』として開発された自転車タクシー。ヨーロッパ各国に広まっている。日本国内でも10都市以上で運行されている。写真は銀座で撮られたもの。
フランス、TGBのアヴィニョン駅
なだらかな曲線がエレガントなTGVのアヴィニョン駅。2001年に完成。北側はガラス張りで光を通し、南側は白い壁で強い光を和らげる。1日を通して光の変化が美しいという。
ベルリン清掃局
ベルリン清掃局(BSR)のテーマカラーはオレンジ。写真に写るゴミ箱は「話すゴミ箱」。ゴミを入れると「ありがとう」と言うとか。
コペンハーゲンのシティバイク
コペンハーゲンで市から無料で貸し出される「シティバイク」。「いい自転車を買っても盗まれる。もし無料の自転車があったら盗難も滅びるんじゃないか」との発想から生まれた「シティバイク」。1991年に27台から始まったこの事業は現在2000台を数える自転車を貸し出すに至っている。タイヤとボディの広告デザインはスポンサーに一任されている。
ストックホルム市立図書館
1927年に開館。ストックホルム市立図書館は、スウェーデンで初めて開架式、すなわち利用者が棚から自由に本を選んで閲覧できる制度を導入した図書館として知られている。建物の中の3層360度を埋める書棚のパノラマは圧倒的。大図書室の天井照明はガラス工房オレフォスによる手吹きランプだ。
オランダ、テルネウゼン市のバス停
オランダのテルネウゼン市に2005年登場して話題となったバス停。大きなガラスの建築に施されたパステルカラーのグラフィックが可愛らしい。残念ながらFlickrではこの1枚しか写真を見つけられなかった。
デンマーク、コペンハーゲンのメトロトーテム
デンマーク、コペンハーゲン市内の駅前に屹立する、地下鉄路線の表示版、「メトロトーテム」。インダストリアル・デザイナーのナッド・ホルシャーの作品だ。2002年のIDデザイン賞を受賞している。
ドイツ郵便
1995年に民営化されたドイツ郵便。民営化を機にコーポレートデザインに注力しだした。帝国郵便時代からのテーマカラーの黄色に、黒を組み合わせて堅実なイメージを醸し出す。
アムステルダム・スキポール空港
アムステルダム・スキポール空港はイギリスの旅行業界誌が毎年行っている"空港人気投票"で通算22回第1位に輝いたことがある。その根強い人気は"迷子にならないこと"らしい。くっきりとした案内板が人の行方を指し示す。それまで主流だったモノトーンのサインに変わって、世界で初めて存在感のある黄色地のサインを採りいれたという。
広島市環境局中工場
最後は日本から紹介。広島市環境局中工場は1995年に広島市が始めた「ひろしま2045 平和と創造のまち」というプロジェクトの一環として建設された。建設を設計したのは、谷口吉生。広島市外から海に向かって延びる広島通りが広島湾に突き当たる地点に建つ「ごみ焼却施設」だ。普段建築家がごみ焼却施設を設計することは殆ど無いという。写真は「エコリアム」という通路状のスペース(とそこから見渡されるゴミ処理プラントの一部)。
おわりに
今回は毎日の暮らしに欠かせない公共の施設やサービスに施されたデザインを見てきました。それら公共のもののデザインが優れていると、日々の生活もぐっと楽しいものになると思います。今回の記事でとりあげたものは殆どが海外(西欧諸国)のものが占めたので、いつかまた国内のそれも改めて取り上げてみようと思います。ではまた!


























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